いたうはフリーゼの「電力会社」が、大好きです。
「競り」、「陣取り」、「リソース・マネジメント」、「拡大再生産」、「行動順争い」、「他人との絡み具合やランダムとランダムじゃないところのバランスの絶妙さ」など、ボードゲームの魅力の多くが詰め込まれています。
このゲームの魅力に関しては、皆さんがすでに言及しておられるのでこれ以上は申し上げませんが、本当に素晴らしいゲームです。
今までのプレイで、つまらないと感じたセッションはありませんでした。
発電所や送電線の敷設料金などが、適当くさく見えるものの、やってみるとすごく絶妙で、そんなところに作者のフリーゼの天才さ(ロジックを突き詰めて出てくるように見えないので…)を感じていました。
そんな中、ある方のブログで、フリーゼのインタビューを翻訳したモノがあったので拝見しました。
そこであらためて、この人は天才だと感じたので、ご紹介します。

凄みを感じたのは、電力会社の勝利条件に関するところです。
電力会社の終了条件は、「プレイヤーが、決められた数の都市に電力設備を建築したターンの最後に、一番多くの都市に電力を供給したプレイヤー」というものです。
つまり例えば、終了都市数が17だとしたら、プレイヤーAが17都市を建てたとしても、発電所や資材が足らずに12都市にしか電力を供給できなかった場合、プレイヤーBが15都市を建てていなかったとしても、15都市に電力を供給して一番多かったとしたら、プレイヤーBが勝者となるのです。
いたうは今までずっと、「何で勝者の決め方が電力『供給都市数』なんだろう?」と思っていたのですが、インタビューを読んで理解しました。
つまり、最終的な勝者決定方法が、例えば「所持金の額」だった場合、最後の方で出てくる50発電所などは、買っても稼働するのが1〜2ターンくらいしかなく元が取れないため、誰も買わない、というケースになりがちになり、それを嫌ったためだということだったようです。
他のゲームで、最後の方には誰もタイルを必要としなくなるという展開を経験した方は、多いのではないでしょうか。

「通電都市数」であれば、最終ターンであっても、高い発電所のニーズは下がらず、いや、最後の方こそ熾烈な競り合いになりがちです。
初競り値40代の発電所が、競り合いの結果100を超えることもあります。
最後まで競りがダレない。
その展開を産み出した、ディベロップの勝利だと思います。

いやあ、本当にフリーゼはスゴいと思います。
電力会社を世に出してくれたことに感謝したいと思います。