この日は3人だったので、この前高値にもめげずに手に入れた「アフター・ザ・フラッド」をやりました。


【アフター・ザ・フラッド】
マーティン・ワレス氏の創った3人専用のゲームで、やった方の評価がどれももの凄く高かったので、手に入れてやってみたいと思っていた作品でした。

紀元前3500年のチグリス・ユーフラテス川周辺が舞台で、その周辺で成立した帝国の勃興を描いた作品です。
1ターン350年(!)で、5ターンでゲームは終了です。
プレイヤーは特定の部族や帝国を受け持つという訳ではなく、各ターンに各プレイヤーが1つづつ帝国を成立させることが出来るのです。
その帝国は、初期の兵力や誕生する場所などが違いますが、帝国を成立させるのは、早い者勝ちです。
であれば、手番の早い順に帝国を成立させれば良いじゃんと思うかもしれませんが、その他にも、シュメール地域(中央の文明地域)に都市を建てたり(特殊能力を得られる)、資源を手に入れたりと、目を配らなければならない要素が多いので、どの時点で帝国を成立させるのか、というタイミングを見極めるのも、大事になってくるのです。

様々な要素が密接に絡み合っているため、ルール自体はシンプルなのですが、説明に時間がかかり、1時間くらい要しました。

そして、スタートしました。
いたうが緑、こーさんが紫、ながやんが赤、でした。


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AtF1.jpg
第2ターン開始時の盤面です(つまりは第一ターン終了時)
いたう(緑)が北部のバビロンともう1つの地域を治め、バビロンの特殊能力「帝国成立時に兵力+2」を得て、兵力をばら撒き、広大な地域を手中にしたところです。
毎ターン、兵士コマで占領している地域ごとに2勝利点もらえるので、重要です。
こーさん(紫)は中部、ながやん(赤)は南部に都市を確保し、占領政策のいたうとは対照的に資源を蓄えていっていました。
得点(外側のコマ)ではいたうがかなりリードしたように見えますが、これは見かけ上の話。
画像左側の資源エリアでは、いたうの緑のコマが少なく、次のターンでの資源の獲得が少なくなってしまっているからです。
どれかを得ようとしたらどれかが得られなくなってしまう。
仕方の無い話ですが、この資源の乏しさがいたうを苦しめました(しかし、いたうが強力な帝国を手に入れてなかったら他の人がその帝国を手に入れて勢力を誇っていた訳ですから、仕方ないのです)


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AtF2.jpg
2ターン開始時です。
早速いたうが帝国を成立させ、画面手前のミッタニというエリアに侵攻し、ながやんの邪魔を図りました。
兵士コマのあるエリアでは、商人コマでは交易が出来なくなるからです(兵士コマで交易をする)
ギリギリと歯噛みするながやん。
ヘイト値を貯めるいたう。
こんな無法なことをしていたら、当然ながら後で痛い目を見るわけですが(^-^;)


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AtF3.jpg
2ターン終了時。
いたう(緑)はまたしても北部を占領し、勝利点を荒稼ぎしました。
しかし、ながやん(赤)も二都市を拡大(ピラミッドを建設)し、勝利点を大きく稼いで追いすがってきています。
こーさん(紫)も、資源を貯めたり先の展開を見越して商人コマを配置したりと、苦しいながらも堅実な打ち回しをしていました。


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AtF4.jpg
第3ターン。
2人の反撃が始まりました。
先に2人が帝国を興し、攻め立て、いたう軍政国家の柱だったバビロンを奪われ、いたうの兵士コマは地上から消え、このターン、いたうは占領ポイントを全く得ることが出来ませんでした。
反撃しようにも、資源で差を付けられていたために、なすすべがありませんでした。
ここでいたうは、ここが我慢の時と、残り2ターンで覆すための布石を打つ事にしました。


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AtF5.jpg
得点が、ここまで縮められてしまいました。
この差なんて、このゲームではないも同然です。
しかし、その右の資源ボックスを見てください。
いたうのコマがどれでもトップタイであります。
このゲーム、交易アクションなども「一対一交換」で、最初に資源を獲得するとき以外は「数自体は」増えないので、最初の資源獲得は予想以上に重要だったのです。


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最終ターン開始時。
ながやん(赤)は3つの都市全てを拡張し終わっています。
こーさん(紫)は都市を拡大こそさせていませんが、バビロンや都市を破壊されにくくする都市などを支配し、最初にいたうがやっていたような軍政国家化していました。
いたう(緑)は、わずか2都市を細々と維持しているだけでした。
しかし、諦めていません。

ここでいたう(緑)はこのターン最強のアッシリア帝国を建国できました。
そしてながやんは、画像左側の赤い商人コマが乗っているところで建国しました。
残ったこーさんは、画像上中央の紫2個、赤1個乗っかっているエリアで建国する、はずでした。


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AtF7.jpg
ここで、ながやんの手によって「神の一手」が生まれました。
ながやんが建国した後、こーさんが建国せずに他のところに手を入れたのを見逃さず、こーさんの建国できるエリアに、なんと、ながやんが商人コマを送り込んできたのです!
帝国を建国できる条件が、その建国できるエリアに商人コマが1個以上あり、なおかつプレイヤー間で最多(同数最多でも良い)でなければならない、という条件がありまして。
なので、ながやんが赤いコマを二つ投入したことで、こーさんはここで建国するには、さらに商人コマを最低1つ投入しなければならなくなってしまったのです!
最終ターンで貴重な商人コマをただ帝国を建国するためだけに、ここに投入しなければならなくなったのは、こーさんからしてみたら大きな痛手だったと思います。
第4ターン終了時点で最下位だったながやんの、執念の一手だったと思います。


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AtF9.jpg
終了時の盤面です。
軍政国家のこーさんが、盤面を席巻しています。
いたうの兵士コマは手前に一個あるだけ(´・ω・`)
ながやんも、兵士を巧妙にばら撒き、こーさんに付け入る隙を見せませんでした。
さらにこーさんはトップであったいたうを止めなければならなかった、という事情もありました。

しかし、最終ターンはエリアで商人コマが単独最多であれば、そのエリアに書かれた勝利点を得られるというのがあったので、いたうは軍の拡大は諦めて、商人をばら撒いて勝利点を得ることに集中していました。
強力な兵士コマですが、商人コマを取り除くことは出来ません。
良く出来たゲームです!

そして得点は…。
兵士コマと都市の拡張で最下位からいたうを指し切って、ながやんの勝利!!

…かと思われましたが、その3秒後に画像左側の資源ボックスの勝利点を計算していないことに気が付き、二つの資源ボックス(資源ボックスの手前二つ)で単独一位だったいたうが7点を獲得し、ながやんを再び逆転して、いたうが勝利しました。

この時点で23時58分。
実に、3時間半の激戦でした!


いやあ、噂に違わぬ名作です。
密接に絡み合った要素と、3人の三国史的な三つ巴感。
軍政だけでも、資源や交易だけでも勝てないようになっていますが、いたうのように盤面から兵士が消えてしまっても勝負になるところなんか、すごいなあと思いました。
周りをケアせずに好き勝手にやってもダメだし、誰か一人をブッ叩いても、もう一人に勝利を奪われてしまう。
素晴らしいバランスで、今までやってきたマルチの中では群を抜いているように感じました。
今回はいたうが勝たせていただきましたが、ルールや流れを把握した次からが本番であるというのは、3人の一致した見解でした。

またやりましょう。
よろしくおねがいしますー(・∀・)!!
本当に、ありがとうございましたー!


【2014年観戦記録】
28試合目:日本vsスウェーデン(女子、アルガルベ杯)
29試合目:セントラルコーストvs広島
30試合目:C大阪vs山東