11月17日、七戸でゲーム会が開かれました。
パパスさんとたんさんといたうの3人でした。
今日は、「パパスの日」ということで、パパスさんご希望の「A Distant Plain」をやることに。


【A Distant Plain】
いわゆる「9.11」後のアメリカと多国籍軍によるアフガニスタン介入を描いたマルチシミュレーションゲームです。
デザイナーがヴォルコ・ルーンケという方で、二人用のアメリカvsイスラム勢力の名作「Labyrinth(ラビリンス)」や、この「A Distant Plain」と同じシステムで以前にプレイした「Andean Abyss」などのゲームを発表した、今いたうが注目しているデザイナーです。
このゲームは、まさにシミュレーションの名にふさわしく、プレイしながら「どうして混迷してるのか」、「なぜ解決していかないのか」を体験できるという、いたうにとっては素晴らしすぎるゲームなのです。

このゲームは、基本的に「Andean Abyss」と同じシステムで、4人でプレイするのが最適と言われています。
2~3人でプレイする場合は、AIのようにある規則に則って行動するNPCモードと、プレイヤーが何勢力か受け持つ方法があります。
プレイヤーは、「アフガニスタン政府」(青と水色)、「多国籍軍(アメリカ、EU諸国連合)」(黄土色)、「タリバン」(黒)、「地元部族の軍閥」(緑)を受け持ちます。
それぞれ、手持ちの資金や勝利条件が違っていて、しかも、選択するアクションも異なっています。
ADP11171.jpg

そして、基本的には独力では勝利することが出来ないので、「政府」+「多国籍軍」VS「タリバン」+「軍閥」という陣営に別れ(あるタイミングでは政府と軍閥が手を組んだりもします)、協力しつつ己の陣営の勝利のためにある地点で出し抜いていく、という構図になっています。
・政府の勝利条件が、「支配地の人口+パトロネージ(海外からの援助)が36以上」
・タリバンは「政府と対立している地の人口+タリバンの基地数が21以上」
・多国籍軍の勝利条件が「アフガン政府を支持する地の人口+(撤収した)ユニット数の合計が31以上」
・軍閥の勝利条件は「非支配地域の人口が16以上で、かつリソース(資金や資源の総称)が41以上」
というものです。
政府やタリバンは分かりやすいですが、多国籍軍が独特で、アフガン政府に実験を握るために活動するが、入れ込みすぎて派兵をしまくると本国で批判が高まるので、撤収させて縮小していかなければならないというところでしょうか。
ものすごい繊細なコントロールをしていかなければならないし、そういう多国籍軍のジレンマを表現しています。
また、政府がタリバンを追い出そうと、軍隊(青の四角コマ)や警官(水色の四角コマ)をいっぱい展開すると、逆にタリバンの「浸透」アクションによって、軍隊コマや警官コマがタリバンゲリラコマに交換させられてしまったりします。
募集をかけまくっただけの寄せ集めでロクに訓練もしていないので、常にそういった危険性をはらんでいたということを表現しています。
南部の地名が緑色の地域は、パシュトゥーン人居住区で、ここではタリバンが活動しやすく、潜伏しやすい地域となっています。



陣営をランダムに決めて、いたうがアフガン政府(青と水色)、パパスさんが多国籍軍(黄土色)、たんさんがタリバン(黒)でした。
ショートシナリオでやりました。
ゲームは、一枚のイベントカードと、次のターンのイベントカードがめくられて、優先度順にこのターンプレイするかどうかを決めていき、先着2陣営までプレイします。
このターンプレイした陣営は、次のターンに活動できないので、次のイベントがどうなのかを睨みながら、プレイするのかパスするのかを選んでいきます。
なので、その点はシンプルで分かりやすいのですが、自陣営が採り得る選択肢がどのようなものなのかなどで、ルールブックに首っ引きでプレイしていきました。

いたうは、序盤から積極的にリソースを消費し、警官や軍隊を拡大し、各地の都市やパキスタンとつながる重要な幹線道路などを確保するために展開していきました。
下の画像では、主要な幹線道路の一つでパトロールをして、潜伏していたタリバンゲリラを特定したところです。
ADP11172.jpg


その後、タリバンのイベントカードを潰したり、「大規模テロ」イベントを発動され、その鎮圧に奔走したり、コーランを焼かれて敵対度が上がったり多国籍軍が活動しにくくなったりといったことを繰り返しながら、最初のプロパガンダカード(得点計算ターン)が出て、それを処理したところまでで協議終了としました。
ADP11173.jpg

ここまでで、10時からルール説明を開始して、1回目のプロパガンダまで来たところで14時でした。
これをあと3回やるのですw
でも、やっていて、サマリーを作れば大幅に時間短縮できるとは思いました。

非常に面白いゲームでした。
やりながら思っていましたが、これはただ黙々と勝利を目指すマルチゲーではなく、どちらかというと、各勢力の代表者となり、それを演じる「RPG」みたいなものなのでは、と思いました。
自力では立ち行かず、多国籍軍と海外援助が必要で、それを引き出す(そしてアフガンの地に引きずり込む)アピール力と、それをあるところでは「ウィ」と言いながらタリバンを爆撃したりしながらも、裏では「幕引き」を図っている多国籍軍、そしてとにかくテロを起こして、それへの対処に忙殺させ政府の復興プランの遂行をただただ阻止するタリバンと、このカオスな状況を一年でも延ばしたい、その隙に稼ぎまくりたい軍閥、というものを演じ、この地獄のような状況を「体験」してみるというゲームなのだと思います。
もうちょっとシンプルなら、教育機関などでの授業に組み込んだりしてみても非常に意義のあるゲームだと思います。

一回やってそれで終わりというゲームではないと思うので、いつかまたやりたいと思います。


【原始のスープ】
原始時代というか、地球創生時の海が舞台で、そこに誕生した「生命体」の進化と淘汰のゲームです。
プレイヤーは各色を受け持ち、海の各マスには、それぞれの色の四角コマが配置されています。
生命体は、海を潮の流れに沿って漂うか、自力で移動して(コストを払う)移動を終えたエリアで「自分の色以外のコマで、ある色のコマ2個とそれとは違う色のコマ1個」を食べて消費します。
そして、自分では食べられない自分の色の四角コマ2個を吐き出します(ウ○コです)
そして、毎ターン入るコストを使って、自分の種族の生命体を増やしたり、特殊能力を獲得したりします。
これを毎ターン繰り返していくと、3個消費して2個排出する訳ですから、だんだん餌の欠乏した海となっていく訳です。
そして、食べられるだけのコマを消費できなかった生命体は、ダメージを積み重ねて、これが2つ貯まると、死んでしまいます。
生命体が死ぬと、そこに栄養素が撒き散らされます。
そうすると、死んだ生命体に他の生命体が群がってくる訳です。
生命の縮図が、盤上に再現されるのですw

いたうが青、パパスさんが赤、たんさんが黄色でした。
原始のスープ11171

序盤から中盤は、それぞれが生き残るために餌を求めてフワフワと行きかっているだけの展開でした。
これが動いたのが、中盤以降。
自分の種族の生命体をばんばん誕生させて勝利点を稼いでいくパパスさん。
たんさんはカードを多めに獲得していって勝利点を稼ぐ方向で進めていっていました。
いたうは敢えて出遅れるのを覚悟で生命体を増やさずに行きました。
能力カードを買い、そして紫外線による遺伝子の損傷した時に払うために残すことにしました。
能力カードを見ていたいたうは、自由に移動できるのが重要だなあと思い、ダイスを振らないで好きな方向に移動できる能力や、2種類の色を食べるのはしんどいなあと思い、「1種類を4個食べる」能力などを獲得し、自分は生き残りつつ「場を染めて」、他プレイヤーを縛りに行きました。
これがハマり、原始の地球は大混乱。
他の生物が生き残ろうとしても、種類が足りず、次々に死んでいきました。
得点で追い上げていくいたう。
原始のスープ11172

そして、大きくリードしていたパパスさんを追い越して、いたうが勝利しました。
ゲームとして1.5時間ほど。
今となっては古典なのでしょうが、なるほど名作でした。
盤上で展開される生命の進化と淘汰が、表現できていて、強くなっていく成長している感触も得られる、非常に面白いゲームでした。


【ホームステッダーズ】
あと1時間半で何かやれないかとなったので、ホームステッダーズをやることにしました。
60~90分で濃密な競りと拡大再生産が味わえる秀作です。
ホームステッダー11171

西部の開拓者になって、建物を建て、労働者を雇用して資源を生産していきます。
最初、スタートプレイヤーの移動の仕方が判らず、迷惑をかけてしまいました。

終盤です。
ホームステッダー11172

一見、うまいこと進めているように見えますが…。
いたうは、たんさんと張り合いすぎて資産を吐き出してしまっていたために、終わって蓋を開けて計算してみたら、最下位でした(つД`)
ホームステッダー11173
派手に稼いで派手に使って、それだけだったというw
たんさんが勝利されていました。

そして、ここでお開きとなりました。
みなさん、ありがとうございました。
また、よろしくお願いしますー(・∀・)ノ


【2013年観戦記録】
190試合目:長崎vs徳島